あいさつ

応用植物科学科(植物医科学専修)の教育研究への取り組み

応用植物科学科 学科主任 津田 新哉

<“健康な植物”で人類を救う>

 生命科学部 応用植物科学科(植物医科学専修)の目的は、循環型社会の形成に貢献する人材を育成することにあります。現在、我々人類は食料問題、環境問題、資源・エネルギー問題の3つの課題に直面しています。どの課題の解決にも植物は重要な役割を果たしています。食料、家畜飼料としての農作物、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収、そしてなによりも太陽光エネルギーを人類が利用できるようにしているのも植物です。その機能を十分発揮させるためには植物を健康に育てる必要があります。植物に襲いかかる病害虫を防ぎ、周辺環境と調和させながら植物を安定的に栽培しなければなりません。そこで本学科では、「健康な植物」をキーワードに教育研究を展開し、植物の健康を守る専門家の育成に力を注いでいます。

<幅広い分野での活躍に期待>

 応用植物科学科では、実社会との連携を重視した教育を展開しています。本学科のカリキュラムでは、植物医科学に関連した企業、官公庁、さらに試験研究機関等で実施するインターンシップを必修科目としています。また、資格取得も強力に支援しており、「技術士(植物保護)」、「樹木医」、「自然再生士」の3種類の資格取得を目標に据えた専門技術者の育成に努めております。在学中あるいは、卒業時に取得可能な、技術士補、樹木医補、自然再生士補の資格は、就職活動にも有利に働きます。実際、社会に出てからの実務経験等を経て、技術士(植物保護)、樹木医、自然再生士として活躍している多くの卒業生がいます。公務員を目指す人のための教育プログラムも充実しています。本学科で学ぶ内容は、植物栽培の現場はもちろん、地域づくりや国づくりなどのグランドデザイン等、行政・政府機関の企画・施策立案でも大変役立ちます。そのため、農業経済や環境政策に関する授業科目にも力を入れ、文理融合教育をいっそう推進しています。近年、生命科学の領域では新技術が次々に開発されています。本学科では、遺伝子解析技術やバイオインフォマティクス、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)など、国内外で研究されている最先端のテクノロジーも余すところなく教育に取り入れ、大学院教育と連携し未来の研究者の育成にも力を入れています。前身である生命機能学科植物医科学専修設置から数えて12年目に入り、8期目の卒業生を社会に送り出しました。植物の専門家に対する社会的なニーズの高まりを受けて、就職も好調です。また、学生の卒業時の満足度で非常に高く評価されているのも本学科の特徴です。一方、循環型社会の形成には、グローバルな視点をもった人材育成も不可欠です。法政大学では、在学中に奨学金が支給される海外留学制度等も充実しており、本学科の学生のうち毎年数名がこれを利用して米国等に留学しています。帰国後には、国際機関への就職や外国の大学院への進学等、海外活動を見据えた国際人も着実に育っています。「健康な植物」に携わるより良い人材を社会に送り出すため、本学科では今後も教育研究の拡充に努めていきます。